お久しぶりです。
寒くなってきましたね。塚田です。
院生の真木圭亮さんとのお話の中から見つけた、軸の糸口から、卒論執筆の許可が先生からおりました!
ついに、私達も卒論を書き始めます!
以前にもブログに何度も登場していることからお分かりかもしれませんが、井上ゼミでは院生の方たちが、忙しい合間を縫って、学部生をサポートして下さります。
(ちなみにサポート、と一口に言いましたが、井上ゼミの院生の皆さんは、一緒に徹夜で発表のアドバイスをしてくれたり、一緒にFWに行ってコツを教えてくれたり、本当に感謝しつくせないほど私たちに御指導して下さるのです。)
中でも、先ほどお名前を出した真木さんは、井上ゼミ1期生でもあり、入ゼミ時から私達の指導をして下さっている院生の方です。
12月14日、その真木さんに、論文に関するアドバイスを請いました。
私たちは、これまで調べてきたプロ野球の事象を以て、ビジネス・エコシステム(前回のブログ参照)の理論にどのように貢献するかという点で、悩んでいました。
すると真木さんから、
「なんだか、話を聞いていると、キーストーンが支配者に変わっているような感じをするよね」
という言葉をいただきました。
ここで、私たちがこれまで調べてきたことを簡単に説明します。
日本プロ野球界は、巨大なメディアをバックに持つ巨人が、スター集団として君臨し、その姿をメディアに露出することによって、国民から莫大な人気を得ていました。
90年代、その人気を維持するために、巨人は他球団(特にパ・リーグ)からスター選手を引き抜いたのです。一方、巨人はセ・リーグ球団に対しては放映権料という形で、パ・リーグ球団に対しては選手年俸の肩代わりという形で、他球団の球団経営を助けてきました。
しかし2000年代、巨人は選手の引き抜きを続けたにも関わらず、視聴率の低下という側面で、日本プロ野球の人気は低下しました。それは、メジャーリーグにスター選手が移籍するようになり、国民の注目度が薄れたためです。結果、放映権料をセ・リーグの他球団に与えることが叶わなくなってしまいました。また、メジャーリーグの参入により、選手年俸も高騰し、年俸の肩代わりもできなくなったのです。
つまり巨人は、選手の引き抜きを行うにも関わらず、他球団に対してリターンを与えない存在になってしまったのです。
このことを、ビジネス・エコシステムの枠組みで説明すると、かつてキーストーンとしてビジネス・エコシステムを活性化させていた企業が、いつの間にか支配者になっていた…というわけです。
このような現象は、今まで語られてこなかったものです。
「キーストーンが支配者か…確かに。不思議だ…。先生にも話してみよう。」
数日後、先生と相談をしている際に、まきさんと話した素朴な疑問をぶつけてみました。
「日本野球界では、キーストーンが支配者に変わる現象が起きているみたいで。」
研究室で熱い議論が巻き起こり、私達はこのキーストーンが支配者へと変わる「キーストーン・シフト」という現象を軸に卒論を書き進めていくことに。
まきさんのように、見識のある方々と日常的にお話をしたり、アドバイスをいただくことができるので、こうした「偶然の産物」で研究をすすめることができる。
こういうところも、井上ゼミらしいところなのかもしれません。
←真木さん。特技は料理。